2025オーストラリア研修を実施しました!
2024年度オーストラリア研修/Study visit to ECU
2025年3月15日(土)から25日(火)にかけて、本学の協定校であるオーストラリア・パース市の「Edith Cowan University(以下、ECU)」にて海外研修を実施しました。
概略
視察期間:2025年3月15日(土)~ 26日(火)
● 出発日 3月15日(土)
成田空港出発 NH881便 11:20発 ターミナル1
パース空港到着 20:30着 ターミナル1
●帰着日 3月24日(月)
パース空港出発 NH 882便 21:55発 ターミナル1
成田空港到着 3月25日(火) 08:30着 ターミナル1
3月15日(土)オーストラリア到着後
ANAの直行便にて、約10時間かけて、午後20:30にパース空港へ到着しました。
入国審査をしてパース空港の外へ出たのは21時過ぎでした。
大型バスに乗り込み、ホテルへと向かいます。
ホテルに到着してチェックイン、すでに22時になっていました。
3月16日(日)市内観光
学生たちは6つの班に分かれ、それぞれが班内で相談して決めた観光地を訪れました。
オーストラリア・パースは3月に秋を迎えますが、日差しはまだ強く、夏のような暑さが続いています。
ただ、日本のような蒸し暑さはなく、湿度が低いため、過ごしやすい気候です。
空気が非常に澄んでいる分、日差しはかなり強烈で痛いほどです。
(外出の際には、日焼け対策が欠かせません)
① 3月17日(月)AM ヘルスサイエンス学部(歓迎/学部紹介/オリエンテーション)
月曜日から、いよいよ本格的にプログラムが始まりました。
学生たちは、宿泊先のホテルから電車に乗って約1時間、ECUのJoondalup(ジョンダラップ)キャンパスへと向かいます。
キャンパス入口にそびえる印象的な建物は、帆船をイメージして設計されたユニークな形をしています。
外装には「ジャラ」と呼ばれる、オーストラリア原産の非常に硬い木材が使われており、その重厚感と温かみのある色合いが、建物に独特の風格を与えています。
医科学健康科学部の運動スポーツ科学部門ディレクターである野坂先生と、国際交流センターのサイモンさん、サバンナさんが出迎えてくださいました。
オリエンテーションでは、国際交流部長のSimonさんからオーストラリアの歴史・文化についてのレクチャーをしていただきました。
また、浜辺での注意事項や、パースに滞在する間の危機管理についても学びました。
運動スポーツ科学部門ディレクターである野坂先生より、医科学健康科学部(SMHS)の施設案内をしていただきました。
③ 3月17日(月)PM 「エキセントリック運動」講義
エキセントリック運動に関する基本的な講義を、野坂先生より講義していただきました。
「エキセントリック運動(伸張性筋収縮)」とは、筋肉を収縮させた状態からゆっくりと伸ばしながら力を発揮する運動を指します。具体的には、階段を下りる動作や、ゆっくりと椅子に腰かける動作などがこれにあたります。
この運動は、激しい負荷をかけて心拍数を上げるような運動とは異なり、身体への負担が比較的少ないことが特徴です。そのため、術後の回復期にある方や、持病のある方、ご高齢の方々にも安全に取り入れやすく、効率的に筋力を高める手段として注目されています。
④ 3月17日(月)PM ECUキャンパスツアー
午後からは、広大なECUジョンダラップキャンパスの見学ツアーが行われました。
約1時間半かけて、キャンパス内のさまざまな施設を見て回りました。
ジョンダラップキャンパスには、医科学・健康科学系のビルをはじめ、全部で34棟もの建物があります。
見学中には、大規模なスポーツ施設やフィットネスセンター、図書館、学生ハブ(学生交流スペース)、
さらには屋外映画館など、最先端かつ充実した設備を目にすることができました。
学生生活を支える環境が整っており、皆、感心した様子で見学していました。
イディス・コーワン大学(Edith Cowan University)は、その名のとおり、オーストラリア初の女性国会議員であるイディス・コーワンさんにちなんで名づけられた大学です。
彼女は子どもや女性の教育の発展に大きく貢献した人物で、その功績から、彼女の肖像は現在のオーストラリア50ドル札の裏面にも描かれています。 ジョンダラップキャンパス内には、そんなイディス・コーワンさんの生家が移設・保存されており、大学の象徴として大切にされています。
歴史と誇りを感じさせるこの場所は、学生たちにも深い印象を与えていました。
図書館では多くのECU学生が勉強をしていました。
キャンパス内には、大きな池と噴水もありました。とても緑豊かなキャンパスでした。
⑤ 3月18日(火)AM 看護実習施設の見学、看護学の講義
午前中は、まず、ECUの看護学科の施設を見学しました。
看護学科長のキャロル先生が案内と説明をしてくださいました。
また、脈の取り方や聴診器の当て方について教えていただきました。
実習施設を見学した後は、オーストラリアの看護制度について学びました。
⑥ 3月19日(火)PM カバシャムワイルドライフパーク
午後は、ECUの学生たちと一緒にカバシャム・ワイルドライフパークを訪れました。
この動物園では、コアラやカンガルー、ウォンバット、クオッカなど、オーストラリアを代表する固有種を間近で見ることができます。
そのほかにも、200種類以上の動物たちが飼育されており、自然豊かな環境の中でさまざまな出会いを楽しむことができました。
ウォンバットは飼育員さんが抱っこしている隣に座り、一緒に写真を撮ることができたりと、動物と触れ合うことができる体験アクティビティが満載です。
園内では、大きなヘビに直接触れる体験もできました。
勇気を出して触ってみた学生たち!
羊の毛刈りショーもありました。現地のこどもたちが歓声をあげていました。
園内ではコアラと一緒に写真を撮ることができます!
カンガルーには、触ることもできますし、えさを与えることもできます。
⑦ 3月19日(水)AM 高齢者対象ワークショップ
午前中は、野坂先生が地元の高齢者の方々を対象に実施されている「エキセントリック運動」のワークショップに参加しました。
会場までは、スワン川の美しい川辺を歩きながら移動。心地よい風を感じつつ、自然の中でのんびりとした時間を楽しみながら向かいました。
このワークショップでは、筋肉に過度な負荷をかけず、効率よく筋力を高めることができるエキセントリック運動について学び、実際に高齢者の方々と一緒に体を動かす貴重な体験ができました。
学生たちは、野坂先生の指導のもと、参加されている高齢者の皆さんの健康データの計測補助をお手伝いしました。
血圧や身長、体重、筋力測定など、さまざまな項目のサポートを行い、初めは少し緊張していた様子の学生たちも、次第に笑顔でコミュニケーションを取りながら、積極的に取り組んでいました。
⑦ 3月20日(水)PM ローンボウリング
午後は、ワークショップ会場のすぐ横の芝生にて、ローンボウリングを行いました。
これは、整備された芝生の上で、約1.5kgのボウルを転がして目標となる球(ジャック)に近づけることを競うゲームです。よく似た種類のゲームには、ボッチャやカーリングがあります。
6チームに分かれてチーム対抗戦戦を行いましたが、上位は接戦となり大盛り上がりでした。
⑧ 3月20日(木)AM 看護学科=病院見学 / 看護学科以外=パース市内見学
午前中には、看護学科の学生12名が現地の病院を見学しました。
実際の病院の様子を目の当たりにし、オーストラリアの看護や医療体制について学ぶ貴重な機会となりま
した。

⑨ 3月20日(木)PM WA州立博物館
午後からは、全員で集合して、西オーストラリア州立博物館へ見学に行きました。
夕方に、スカボロービーチへ出向きました。
夏季の木曜日は、スカボロービーチフェアが開かれており、世界各国の料理フェアや、砂の上のクラブパーティーが開催されています。
砂浜に立つと、目の前に広がる光景は息をのむほどの美しさでした。
空気は驚くほど澄みわたり、まるで超高精細のファインダーを覗いているかのような、信じられないほどの透明感に包まれていました。
⑩ 3月21日(金)AM 学校見学
午前は、現地の私立小学校「Ellen Stirling Primary School」を訪問しました。
青空の下、整備の行き届いた緑豊かなキャンパスに足を踏み入れると、明るい笑顔で迎えてくださったのは、同校の校長先生。
まずは校長先生から、オーストラリアの初等教育についての講義を受けました。
生徒たちがのびのびと学ぶ様子や、教室内外の工夫された学習環境を実際に見学することができ、日本の学校との違いについて考える貴重な機会となりました。
授業中に先生が何度も「Respect(尊重)」という言葉を繰り返し、生徒たちに「相手を思いやる心の大切さ」を語りかけていた場面に出会いました。異なる価値観や文化をもつ仲間とともに学ぶ子どもたちにとって、この言葉がどれほど重要であるかが、強く伝わってきました。
学生たちは、日本の学校とはまた違った学びのかたちを目の当たりにし、多文化社会における教育の在り方について、深く考えるきっかけとなったようです。
⑪ 3月22日(土) フリーマントル/ロットネスト島の観光
日曜日は、パース市内から南西へ約19km、電車で30分ほどの距離にある港町・フリーマントルを訪れました。
フリーマントルは1829年にヨーロッパからの入植が始まり、西オーストラリア州における植民の拠点となった歴史深い町です。現在でも、当時の面影を残すコロニアル様式の建物が街並みに美しく調和し、まるでタイムスリップしたかのような雰囲気が漂っています。
有名な「フリーマントル・マーケット(Fremantle
Markets)」にも足を運びました。
週末になると多くの人でにぎわうこの屋内市場は、1897年に建てられた歴史あるレンガ造りの建物の中に、食料品や雑貨、アート、クラフト製品など140以上の露店がずらりと並んでいます。
市場の中は地元の香辛料やハチミツ、手作りのアクセサリーやアボリジニアート、個性豊かなストリートフードまで、多彩な商品であふれており、見ているだけでもワクワクする空間です。
学生たちもお土産を探しながら、マーケットの雰囲気を楽しみました。
その後、旧フリーマントル刑務所(Fremantle Prison)を訪れました。
この施設は西オーストラリア州で最初に建てられた刑務所で、囚人によって建設され、2010年7月には「オーストラリアの囚人遺跡群」の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されています。
実際に1991年まで使用されていたそうです。
午前11時には、フリーマントル港からフェリーに乗り、ロットネスト島(Rottnest Island)へと向かいました。
青く澄みわたるインド洋を進むフェリーの旅は、およそ30分。
島に到着した私たちは、まずレストランで昼食をとりながらひと休み。
そして食後、レストランの外に出た瞬間「クオッカ」に出会うことができました。
ロットネスト島のシンボル的存在であるクオッカは、有袋類の一種で、「世界で最も幸せな動物」と呼ばれています。その理由は、口角がキュッと上がった顔つきが、まるで笑っているように見えるから。
人懐っこく、近くまで寄ってきてくれる様子には、まるで歓迎されているような気分に。
その後、島内を巡るためにレンタサイクルを利用してサイクリングを楽しみました。
ロットネスト島は車の乗り入れが制限されており、自転車での移動が主な交通手段。そのため、島全体が自然と調和した穏やかな雰囲気に包まれており、のびのびとした気持ちでサイクリングを楽しむことができます。
サイクリングの途中、人気スポットのひとつである「ザ・ベイシン(The Basin)」に立ち寄りました。
ここは遠浅の砂浜が広がる天然のラグーンで、穏やかな波と透明度の高い海が広がる絶景スポットです。学生たちも靴を脱いで海に入り、水の冷たさと澄みきった美しさを全身で感じました。
その後、「バサースト灯台(Bathurst
Lighthouse)」へも足を運びました。
灯台の周辺は高台になっており、そこから見渡すインド洋のパノラマはまさに圧巻。
海と空の青さが溶け合うような光景に、しばし言葉を失ってしまうほどでした。
帰りのフェリーはちょうど日没の時間帯と重なり、船上から見る夕景はまさに感動的でした。
水平線の彼方へ沈んでいく太陽が、インド洋の海面を黄金色に染め上げ、空はオレンジから紫、そして藍色へとゆっくりと移り変わっていきました。
ロットネスト島への旅の最後を彩るにふさわしい、美しいサンセットクルーズとなりました。
⑬ 3月23日(日) Open Day
ECUのオープンキャンパス「Open Day」に参加しました。
学科ごとのブースでは、地元の高校生に向けて熱心な説明が行われており、学生たちも一緒に話を聞いてみました。
現地の大学紹介のスタイルを知ることができ、貴重な学びの機会となりました。
午後はフリー時間となり、学生たちはキャンパス周辺の散策や買い物など、それぞれ思い思いに過ごしていました。
⑭ 3月24日(月) プレゼンテーション/修了証授与
とうとう最終日となりました。
研修の締めくくりとして、1人約3分の英語プレゼンテーションを行いました。
お題は「オーストラリアに来て印象的だったこと、気が付いたこと」。
初日に出されていた課題に向き合いながら、全員がしっかりと準備を重ねてきました。
25人それぞれが異なる視点から、自分なりの体験や気づきを英語で発表し、どれも聞きごたえのある素晴らしいプレゼンテーションでした。
短い期間でしたが、学生たちの成長を感じられる、感慨深い最終日となりました。
発表の後には、キャロル看護学科長から1人ひとりに修了証が手渡され、温かい拍手とともに研修を締めくくりました。学生たちの達成感に満ちた表情がとても印象的でした。
学生からのアンケートでは、学生たちの成長や気づきが数多く寄せられました。
「言語が通じなくても、共通の趣味や思いがあれば心が通じ合う」といった気づき、
「多文化が共生する社会の中で皆が平等に暮らしている姿に感銘を受けた」、「多文化社会における平等な教育や、先住民文化への敬意など、日本では得られない価値観に強い刺激を受けた」といった声もありました。
また、現地での生活を通して、日本との文化や医療制度の違いを実体験できたことは、専門分野への関心をより深め、自分の将来像や学びの方向性を見つめ直すきっかけとなったようです。
英語への苦手意識があった学生たちも、積極的に話しかける中で「言葉が通じなくても、思いを伝えようとする姿勢があれば相手と心を通わせることができる」という自信を身につけていった様子が伝わってきました。「最初は怖かったけど、少しずつ言葉が出るようになった」「カフェでの注文が聞き取れるようになって嬉しかった」などと、挑戦することの大切さや達成感を体感していきました。
それぞれが自分なりの課題と向き合い、挑戦を重ねた10日間。
学生たちにとって、この研修は確かな自信と、これからの学びへの原動力を与えるものとなりました。