2023シンガポール研修を実施しました!

2023年度シンガポール研修/Study Visit to NYP


本学の2つ目の協定校となる、シンガポールの「Nangyang polytechnic(以下、NYP)ナンヤン理工学院」において、202392日(土)から11日(月)の日程で、海外研修を実施しました。

看護学科2・3年生16名と、医療福祉学科2年生4名の計20名が、NYPのヘルス&ソーシャルサイエンス学部を訪問し、9日間の研修を通して、シンガポールの保健医療福祉について学び、異文化に対する理解を深めてきました。

概略

視察期間202392(土) 11(月)                         

受入れ機関:シンガポール ナンヤン理工学院(NYP)ヘルス&ソーシャルサイエンス学部   

NYPが擁する学部・学科:                                            

応用科学部/経営学部/デザイン&メディアスクール学部/工学部/情報技術学部/ヘルス&ソーシャルサイエンス学部(看護学科、口腔保険療法学科、社会福祉学科)

NYPの特徴:

■1992年に設立されたシンガポールを代表する医療・理工系等の国立専門職養成高等教育機関。   

■2006年度までシンガポール国内で唯一看護教育を実施していた教育機関であり、充実した看護実践教育が高く評価されている。

■シンガポール政府と連携して、ヘルスケア専門職要請における中心的な役割を担っている。

■政府からの新たな政策を、様々な国内最先端の病院、保険医療福祉施設、地域センター、支援施設等と協同して実行に移している。

研修の目的:

■異文化理解・コミュニケーションに挑戦して国際社会に関心を持つ。

■シンガポールの生活や文化に直接触れ、人間・社会・環境への理解を深める。

■国際的な視野から日本の保健医療福祉を考えるきっかけとする。

■同じ専門職を目指すシンガポールの学生との交流を通して専門職としての国際協力・連携について考える。

参加学生:20名(医療福祉学科2年4名、看護学科2年6名、看護学科3年10名)

引率者:教職員3名

 

スケジュール

出発日 92日(土)        

日本航空037便  羽田空港発  1130発 シンガポール着  1740

帰着日 910日(日)      

日本航空036便  シンガポール発 2150発 羽田空港着 翌朝0550


92日(土)シンガポール到着後

1740定刻通りにチャンギ国際空港へ到着しました。

空港に到着後は現地旅行会社にてチャーターした大型バスに乗り込み、NYPへと向かいました。

NYPでは、教員が待っていてくださり、アパートメントへの鍵の受け渡しを行いました。

学生はみな、NYPの敷地内にあるアパートメントに宿泊することになります荷物を各部屋において一息ついたところで、全員で徒歩15分の場所にあるフードコートに行き、夕食を取りました。

NYPの学生たちも待っていてくれて一緒に夕飯を食べました。

みな、思い思いの食べ物を、自力でオーダーしました。


NYPの先生が「チェンドル」という、シンガポールのローカルで人気のかき氷のデザートをみんなにおごってくださりました。ココナッツミルクと小豆がとても美味しかったです。


93日(日) NYP学生との交流

本学の学生は、NYPの学生とバディを組み、1日中、観光に連れて行ってもらいました。

ほとんどの学生は、ユニバーサルスタジオ(USS)へ行き、存分に楽しみました。

 この日1日をNYPの学生と一緒の時間を過ごしたことで、拙い英語であっても、自分の言いたいことを伝え、相手も笑顔で受け取ってくれたことで、自信をつかめたようです。また、NYPの学生とはすごく仲良くなりました。




① 94日(月)AM ヘルスサイエンス学部(歓迎/学部紹介/オリエンテーション)

月曜日から、プログラムが本格的に始まりました。

ヘルス&ソーシャルサイエンス学部(SHSS)は学生数3,400人の、NYPの中で3番目に大きい学部です。

学部長であるBrian先生と、プログラム最高責任者のBellaTan先生から歓迎を受けました。       

Bella先生からは、直々に、学生に対して、SHSS学部の紹介プレゼンテーションをしてくださいました。

また、今後の本学との交流発展に大いに期待してくださっていること、今後とも友好関係を継続して、永続的に研修を実施していくことを、確認しあうこともできました。




② 94日(月)PM  NYPキャンパスツアー

お昼はNYPが用意をしてくださいました。

お昼のあと、午後からは、広大なNYPのキャンパスツアーを実施してくれました。

NYPは、なんと、30ヘクタール(東京ドーム6個分)の敷地面積があり、3時間をかけて見学して回りました。









卒業式にNYPの看護学生が斉唱する「Nurses' Pledge(誓詞)」

本物そっくりの手術室。NYPの学生は、卒業後は実践にすぐに入れるように、本物と寸分違わずに作られた演習室で演習を行える環境にありました。

デザイン&メディア学部所属の映像スタジオ学生の創造性を育むため、全学部の学生が自由に使えるスタジオです。すぐ横には、クラフトワークの工房も設置されていました。




③ 95日(火)AM  St Hilda’s Community Hospitalの見学

午前中は、キリスト教母体の「聖ヒルダ協会」が運営している、コミュニティサービスセンターへ見学に伺いました。

シンガポールでは、このようなVoluntary Welfare OrganizationVWO)が、政策の実行主体となることが多く、政府からの補助金も含めて運営されています。








看護師と作業療法士、理学療法士を含めた少数のスタッフが運営を取りまとめていて、200人のボランティア部隊によって支えられています。

高齢者の方々のお家に戸別訪問をします。またご本人にセンターに来ていただくこともあります。

センターでは、デイケアセンターとしての役割があり、団体で体操、レクリエーション、食事、昼寝、入浴サービスを実施していました。

その他、クリスマスパーティーや、合唱会、寸劇など、みんなが楽しめるイベントも実施しています。

またシンガポール国立チャンギ総合病院と共同して、高齢者用の、より専門的な健康診断プログラムや運動プログラムを行っています。高齢者にとって筋肉をつけることは、転倒リスクを少なくするためにとても大切であるからです。



午後は、NYPへ戻り、国際医療福祉大学の学生と合同で、シンガポールの「健康増進政策」に関する講義を受けました。








⑤ 96日(水)AM  KYDZ International のセッション

認知症高齢者へのおもちゃを販売している会社の社長にNYPへ来て頂きました。

販売している商品を実際に見て触り、高齢者の疑似体験、認知症高齢者への対応の仕方についてセッションを行いました。

おもちゃには、感覚を呼び起こす目的のものが多く、例えば懐かしい食品や香辛料のにおい、赤ん坊の人形、犬や猫のおもちゃ、昔懐かしい子供のころに遊んだおもちゃなどを体験しました。

これらは主に病院や高齢者施設に対して販売しているとのことです。



⑥ 96日(水)PM  Singapore Health & Social Systems 講義

午後は、国際医療福祉大学の学生と合同で、シンガポールの「医療福祉制度」に関する講義を受けました。

NYPの先生による、具体例を交えたシンガポールにおける医療福祉制度の講義は大変面白く、学生は非常に熱心に、2時間過ぎた後でもNYPの先生への質問が続きました。












⑦ 97日(木)AM  看護シミュレーション演習 

午前中は、看護シミュレーションを実施しました。

NYPの看護シミュレーション実習室には、3,000万円もするハイフィデリティ(高忠実度)のシミュレーター人形があり、コントロールルームで教員が操作をして、声を出したり、胸の上下の動きをつけたり、胸音・心音を変えたり、瞳孔が開いたり、対光反射もすることができるのです。

2名が病室にて看護師役を行い、マジックミラーの裏ではほかの学生がその様子を見学しました。












実施後のブリーフィングが最も重要であり、「どこが良かったのか」、「どこが良くなかったのか」、「改善点は何か」を、全員で実施後に話し合った。

2名の看護学科生がデモンストレーションを行いました。2名で病室にいる時間は、必死に「自分で考えて・対応」しなければなりませんでした。

日本で実施する時は、友達とペアになり、周りに教員がいる状況であり、比較的簡単に答えが聞ける状況なのですが、NYPでのシミュレーションは全く異なりました。

デモを行った学生は、その上、他の皆にマジックミラーの裏側から、つぶさに見られているという緊張感が加わったとのことでした。

NYP教員は、とにかく、学生に自分で考えさせること、そしてそれを全員で共有し、課題を出させて話し合わせることが大切であると繰り返していました。


⑧ 97日(木)PM  SG Enabling Villageの見学

午後は、「エネーブリングビレッジ」という、シンガポール政府の社会家族開発庁と民間のSG Enableによって2015年に設立された先進的な障がい者支援施設へ見学に行きました。

公共スペースのため、誰でも入ることができるオープンスペースとなっており、障がい者向けの就業トレーニング施設を中心に、医療施設やスポーツジム、幼稚園、スーパーマーケット、イベントスペースなどが整備されており、障害を持つ人々と社会をつなぐ包括的なスペースとなっています。

障がいを持っていることは、ネガティブとは考えず、さまざまな能力を持つ人々と捉えています。

本施設は、障がいのある方がありのままの自分が受け入れられていると感じ、貢献したことで評価される場所として、政府主導(リー・シェンロン前首相の肝いり)で設立された経緯があります。












自閉症をもった方々が、自宅から通いながら、ここで1日仕事をしており、アクセサリー制作に集中していました。自閉症の方々は細やかな作業に対する集中力が非常に高く、その能力を活かして、小さなビーズを組み合わせたアクセサリー、細かい柄が書かれた傘などが生産され、併設ショップにて販売されていました。











「アシスティブテクノロジー」と呼ばれる運動補助器具の研究や、ユニバーサルデザインの研究がされており、東南アジア最大の通信会社であるSingtelやメガバンクのUOB銀行などが出資しています。

施設内には、その器具類が展示されていました。











⑨ 98日(金)AM  Kampung Admiraltyの見学

午前中は、Kampung Admiraltyの見学に行きました。

この施設は、2017年に完成した、高齢者向けの住宅と、社会施設、ヘルスケア施設、公共施設、商業施設、小売施設を統合したシンガポール初の公共開発プロジェクトの複合施設です。11階建てで、下層階にはショップ、飲食店、小売店、市民広場があります。

中層階には専門の外来患者ケアを提供する医療センター、緊急センター、デイケアセンター、託児所があり、高層階には緑地とコミュニティパーク、104戸の高齢者向けワンルームマンションを備えています。

同じ敷地内であるため、高齢者の方が迷うことや交通事故に遭う危険性もないのです。

1Fのコミュニティスペースでは、体操などを始め様々なイベントも開催され、コミュニティの若者と老人の両方の参加と関係促進をしています。

ビルの屋上には、多くの木々が植えられ、コミュニティ農園やビオトープがあり、住民は一日中、自然に浸っていることができます。

緑化率は建物敷地面積の50%を占め、緑化率100%を達成しています。雨水の流出を収集してろ過してから収穫タンクに送り循環使用されています。

この複合施設は、大変な成功をおさめ、今後、シンガポール政府は、この成功例を通して、同様の複合施設を継続して建設していく予定とのことです。















⑩ 98日(金)PM JETRO SINGAPORE 上席研究員の講義

午後は、ジェトロ・シンガポール事務所の本田智津絵上席研究員の講義を受けました。

本田先生に直接依頼させていただき、前半で医療・福祉制度の概要の講義、後半にQ&Aセッションをして頂く、貴重な機会を得ることができました。

本田先生は現地に35年ほどご滞在されシンガポールに関するあらゆる分野で造詣が深く、シンガポールの最新の状況や、医療福祉制度について分かりやすく教えて頂きました。

日本語で聞けることもあり、学生たちからの熱心な質問が相次ぎ、時間ギリギリまで質問を続けました。

本プログラムの最後の講義であり、総まとめとして、非常に有意義な時間となりました。












⑪ 98日(金)PM  修了証授与、お別れ会・文化交流

午後15時ころから、終了賞の授与式がありました。

ベラ先生は学生ひとりひとりに、プログラム修了のお祝いの言葉をかけながら握手をしてくださいました。













修了書の授与後、お別れ会と文化交流を行いました。

NYPの学生はインドの踊りを、本学側は「ジャンボリミッキー」を踊って大盛りあがりとなりました。学生たちは、5月の事前研修から、この日のパフォーマンスのために、少しずつ練習を行ってきていました。NYPの学生を巻き込み、大成功したことで、みなが喜びを分かち合っていました。







⑫ 99日(土)AM 国立博物館の見学

国立博物館に見学に行き、シンガポールの国の成り立ち、歴史や文化について学びました。国立博物館を見学し終わった後は、NYPの学生たちと最後に遊びに行きました。








910日(日)シンガポール出国前

NYPの学生たちは毎晩のようにアパートメントに本学の学生を迎えに来てくれて、シンガポールの観光スポットや食事をしに連れ出してくれました。参加した本学の学生にとって、一生涯の友達が海外にできたことは、大きな財産になりました。

この友情をずっと大切にしていってほしいと思います。













本学の学生からは、

「とても楽しかった、かけがえのない思い出ができて本当に良かったです。」

「今まで知らなかった色々な新しいことを吸収することが出来ました。心からこの研修に参加してよかったと思えました。」

 「この時期にこのような貴重な体験をさせてもらえたことは私の人生において大きな影響になりました。」

 などの感想がありました。

感受性の強い、この大学生の時期に視野を広げ、異文化体験をすることの重要性が再認識される意見でした。

より多くの学生に、学びの場としての海外研修の機会を利用して、大いに学び・遊び、そして挑戦をしてもらいたいです。



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