2024シンガポール研修体験談 5⃣
自身の考えを見直せる学びの深い研修でした
医療科学部医療福祉学科2年 木下 暖太
私は「シンガポールのことはよく分からないけれど、海外の福祉や文化を知っておくことは何処かで役に立つだろう」という思いで研修への参加を決めたのですが、最初に結論を言うと、シンガポールのシステムや考え方が面白すぎて「まだまだ学び足りない!」と心の底から思っています。
私は英語が昔から苦手で、正直10日間も生活できるか不安なところがあり、現地でも何度か恥をかく場面も多かったです。ですが、現地の学生たちとは翻訳アプリを通じて意思疎通ができただけでなく、彼らの優しさに触れることができ、感謝してもしきれません。
今回の研修の主目的である講義では、プロの方や引率の先生方が通訳をしてくださるので内容をよく理解することができました。
個人的に興味深かったのは「児童虐待」に関する講義でした。例えば、子どもと虐待をした親のどちらを優先するのかについて、「子どもは大人より状況を改善するリソースを持っていない」という考えの基、「子どもを優先する」と言われていたことに対し私は非常に感銘を受けました。他にもシンガポールの飲料には含まれている糖分の量に応じてA〜Dのグレートで分けられているなど面白いルールが様々で、ゴミのポイ捨てをすれば罰金、横公共交通機関で飲食をしても罰金なんてこともあります。しかしこれが多民族国家でありながら今も秩序を保っていられる理由であり、「自分の見ていた世界は狭かったんだ」と思い知らされました。
他にはUSSやマーライオンなどに観光に行ったり福祉や医療の施設見学をしましたが、個人的に最も面白かったのは国立博物館です。全く知らない国の歴史を知るというのも楽しみの1つで、1871〜1904年の間、「海峡植民地」と呼ばれる当時イギリスの植民地であったシンガポールやマラッカなどのマレー半島や周辺諸島の知事を務めていたという「フランク・スウェッテン」の肖像画の存在感は大きく、忘れられません。特に印象に残っているのが「日本との戦争」です。戦争に導入された装備や戦車が展示されていたのですが、砲塔の前を通ったときに恐怖を感じることとなり、戦争について改めて考え直す機会になりました。
今回の研修は、シンガポールのシステムや歴史から自身の考えや日本のシステムを見直せるとても有意義なものになり、大満足でした。